今日の絵本(2013年度)

今日の絵本(2013年度)

ちいさな くれよん H25.9.19(木)

b130ちいさなくれよん題名 ちいさな くれよん

作 篠塚かをり

絵 安居 淡

出版社 金の星社

メモ 初版は1979年。数年前にテレビで紹介されて話題となり、リバイバル出版されました。篠塚さんは幼稚園教諭をしながら絵本を描いていました。この話は、そんな作者の生活背景から生まれたのですね。

折れて短くなったクレヨンがごみ箱に捨てられました。「僕、まだかけるよ!僕はまだ役にたつんだ。」と歩き始めたクレヨン。色が薄くなった子供の靴や玩具と出会います。クレヨンは、綺麗に塗りなおしてあげました。みんな大喜び。クレヨンは短くなりましたが、役に立って嬉しくなりました。今度は、石に出会います。「君は体は小さいけど綺麗な色をしているね。ぼくも綺麗になりたいな。」と石が言いました。クレヨンは、綺麗な黄色に塗ってあげました。でも、豆粒のように小さくなりました。夜になって星がきれいに輝いています。「ぼうやは、星を描くときは僕を使ってくれた。星と僕は仲良し。」 その時、弱い光の星を見つけました。くれよんは、ある思いを抱きます。そして・・・。

幼稚園では、この話のように小さくなったクレヨンが沢山あります。子供達が好きな色ほど、早く短くなります。短いからといって捨てることはありません。大切に最後まで綺麗に使っていますよ。だって大切な色だから。物を大切にする心を、優しい話にのせて伝えています。そして、誰かのために、何かの役に立つということの素晴らしさを教えているように思います。

きつね、きつね、きつねがとおる H25.6.10(月)

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 題名 きつね、きつね、

      きつねがとおる

作 伊藤 遊

絵  岡本 順

出版社 ポプラ社

メモ: 第17回日本絵本賞受賞。京都で生まれ育ち、子供の頃は祖母から古典の話をよく聞いていたそうです。古典の世界が実在する京都。そんな古都の空気を感じながら育ったことが作品に影響しています。他の作品でも京都の神社が舞台のものなど・・・。

いいなあ、大人は何でも見ることができて。でもね、子供にしか見えないものもあるんだよ。それはね・・・

 主人公の女の子は、家族で出かけると「見えないよ~。」っていう思いをしています。花嫁さんがいた時も人ごみで見えない。きれいな庭のお花も塀が高くて見えない。レストランでもコック達の様子がカウンターが邪魔で見えない。弟は抱っこや肩車で見えるのに、私は見えない。レストランの帰り道、河原で狐火を見た。狐の嫁入り行列、きつねのコックさん、きつねのお祭り…でも、お父さんお母さんには見えない。子どもにしか見えない狐…また会いたいな。会えるよねきっと。

「見えないよ~、見せて!」っていう思いをしたことがありますよね。そんな気持ちに狐火を絡め、不思議で、ちょっと素敵な余韻の残る作品です。子供達に読んであげると、前半は背伸びをしても見えない女の子に共感している様子。後半は狐火との出会いに変化しますが、ちょっと怖いように思う子もいるようです。でも、徐々に不思議な世界に引き込まれていきます。子供にしか見えない狐たち。ファンタジーです。ひょっとしたら、この子達にも何か見えているかもしれませんね。

ライオンさんカレー H25.5.29(水)

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 題名 ライオンさんカレー

作・絵 夏目尚吾

出版社 ひさかたチャイルド

メモ: 現在絶版で手に入りません。数年前に古本屋で偶然に手に取り、一発で気に入って買った本です。図書館にはありますよ。

シリーズに「ねこさんスパゲティ」と「ぞうさんオムライス」があるようですが、これらも絶版で手に入りませんし、図書館にもおいてありません。残念。

読んでみたいですね。

「カレーが好きな人、手をあげて!」ライオンさんが、美味しいカレーを作る絵本です。みんなも手伝ってね!

玉ねぎ、にんじん、じゃがいも・・・肉を切ったり、炒めたり…。それからカレールーを入れて、ことこと煮込んでね。あ~いいにおいがしてきたよ。もういいかな?それではご飯に、とり~りとかけて。はい!ライオンさんカレーの出来あがり。

この絵本は短くて、リズムが良いのであっという間に読み終わります。とても楽しい絵本です。子供達に参加してもらって、一緒にカレーを作っていく雰囲気を出すと良いですよ。4月の入園して間もないころに、年少さんに読んであげると喜びます。もちろん、年長さんまでノリノリで聞いてくれます。と…言うよりも、参加してくれますと言った方が良いかもしれません。玉ねぎやにんじんをとる時には、「にんじんはどれかな?」、「じゃがいもはどれかな?」と聞くと、「それ~!」と元気に答えてくれますし、野菜を切ったり、炒めたりする時は、節をつけて手遊びでトントントンやシャッシャッシャとすると、どんどん楽しくなります。何回か読むと、子ども達も振りや話のパターンを覚え、一緒に遊びながら絵本を読んで楽しむ雰囲気が出来あがります。

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