「固定観念と先入観」 H23.1.31(月) 晴れ

img201101281月28日の「今日の絵本」のコーナーで、「すっとんだ ちょうべい」という絵本を紹介しました。この絵本、ちょっと変わっています。読むときには絵本を縦に持ち、ページを下から上にめくって読む構成になっています。これは面白い!

話の内容も、「主人公が穴を地面深く掘り、地獄におちたり、雲上に飛び上がったり、そしてまた地上に落ちたり・・・」と、上下の関係を上手く使っているので、この絵本の構成がぴったりなのです。そんな理屈も考えながら、「子ども達、この絵本を見たら驚くだろうな。めずらしいって喜ぶだろうな。」とワクワクしながら読み聞かせをしました。さあ、子ども達の反応はどうだったでしょう。

とても楽しい話なので、勿論子ども達は喜びました。しかし、肝心の「縦構成」という点については殆ど反応がありません。仕方がないので、「この絵本はね、面白いんだよ。 本って普通はどうやって読む? そう、この本は縦なんだよね。」なんて説明してしまいましたよ。いつも色々なことに大きく反応したり、気付いたり、そしてその「気付き」を楽しむ子ども達。それが何でこんなに食いつかないんだろう?

そこで、あっと気付きました。「本は左から右へ、または右から左へページをめくる」というのは、我々大人が持っている固定観念です。だから、その観念と違うものを見たときに「面白い、珍しい」と感じたわけです。(厳密にいうと固定観念の用法は違うようですが、ここでは慣用的に固定観念とします。)

ところが、子ども達にはそのような観念も先入観もありません。自由なんです。絵本を縦に読み進んだとしても、何の不思議もなく、そのまま受け入れます。子ども達が感ずる所は、その内容の楽しさであり、「縦構成が変わっていて面白い」ということではないのです。物事の本質を楽しめるって素敵ですね。 あー、また子ども達に勉強させられた思いでした。

最後に、この「すっとんだちょうべい」ですが、本当に面白いですよ。是非読んでみて下さいね。詳細は「絵本のコーナー」(1月28日)を見て下さい。