「おわりのはじまり」 H23.5.26 (木) 曇り

hp350DSCF6375自由画帳に向かって何か真剣に描いている男の子がいました。話しかけても気付かないくらいです。車に「おわり」って書いてあります。

「終わりって、どうして?」と、もう一度尋ねると。

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hp190DSCF6381「これねー、終わりのページだから、おわりって書いたの。ハハハ。」ですって。面白いですね。ニコッと笑うと直ぐにまた画上の人に。クレパスの腹を使って黙々と背景を描いています。可愛い絵の中に芸術的なセンスを感じますよね。こんな自由な発想で自由に絵が描けるなんて素晴らしいと思います。

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この会話を聞いた回りの子が「私も描いたよ、みて~!」、「みて~!」と声を掛けてきました。見ると、男の子の周りの子達が同じように「おわり」の絵を描いています。「あっ、それ面白い!」と思った子達が真似をして、更にそれを見た子がまた「面白い!」と真似をして・・・という風に自然発生的に広がっていったようです。その広がりの過程の中で、「そうだ!私、始まりも描いちゃおう。」と、一番初めのページに「はじまり」と描くことを思いつく子もいました。それを見た子が、「そうか、じゃー、真ん中も。」と中間のページに「まんなか」と描く子も表れます。

このように、子ども達の活動は一人の面白い発想を起点にして、爆発的に広がっていきます。 それは大きなうねりのようになって、様々に変化しながら発展していくのです。年長児になると、自分達「子供の社会」の中で、このうねりを作り出すことができます。男の子が描いた「おわり」が、「はじまり」だったんですよね。
お互いに真似しあって、影響しあって、子ども達は成長していくのです。