文化たより2012年度1学期
文化たより
幼稚園には楽しいことがいっぱい!子ども達の笑顔って本当に素敵ですよね。
このページで、その様子を少しでもお知らせできたらと思います。
1学期
1学期の文化便りは、これで終わりです。夏休み中はアルバムのコーナーを更新しますのでご覧下さい。 なお、8月8日~22日はエアコン設置工事のため、幼稚園は休園しています。連絡は、23日以降にお願いします。
「太陽の色は何色?」 H24.7.20 (金) 曇り時々雨
早いもので、今日で1学期も終わりです。4月に入園した子ども達も幼稚園の生活を楽しんでいますね。2学期は運動会もあります。様々な経験を通して、子ども達はいっそう成長していくことでしょう。
さて今日は、年長の担任の保育日誌に記載されていた事を紹介します。
以下、日案・保育日誌より
本日は体操を行いました。子ども達は跳び箱が大好きです。少しでも高く跳ぼうという気持ちからか、週をおうごとに上達し、大変驚いています。成果が分かりやすくて、少し難しいものは、子供の心に火をつけるのだなと感じました。
また、最近興味深く感じたことがあります。年長から入った子がいるのですが、その子が絵を描くときに太陽を黄色いクレパスで描くのです。他の子は皆、赤で描きます。何故だろうと考えてみると、環境の違いなのだと気付きました。その子は、入園直前までインドに住んでいました。インドの国旗は黄色を基調として、中心に丸い太陽のような形が描かれています。そして、これこそが先入観なのだと思いました。子供はいつから太陽を赤で描くようになったのでしょうか。絵本やテレビで見たり、他の人が描いたものを見たからではないでしょうか。先入観から開放されたとき、子供の表現力はもっと豊かになっていくのだろうなと感じました。
この担任は、インドから帰国した子が黄色い太陽を描くことに関心をもち、それを調べるうちに自分自身も「太陽は赤」という先入観にとらわれていることに気付きます。私もこの事に大変興味を持ち、丁度そこにいたベルリッツの先生(オーストラリア人)に尋ねました。
「あなたの国では、太陽を何色で描きますか。」
答えは即答、yellow です。
「だって太陽は黄色に見えるでしょ。子供の時からみんな黄色で描いています。」
なるほど、世界的に見れば黄色い太陽が主流で、赤い太陽を描く国は日本だけかもしれません。確かに太陽は黄色か白に近い。早速、アメリカ人とスペインの友人にも聞いてみました。答えは黄色。
日本人が「太陽は赤」と考えるのは、それこそ国旗の影響ではないでしょうか。
「太陽は赤い」という先入観が、無意識に植えつけられているのですね。歌詞や絵や文章表現においても、太陽は赤なのです。そういった先入観は、既成概念となって表現を規制してしまいます。 私自身、小学校の図工の時間に「校庭に出て好きなものを詳細に描きなさい」という課題で、桜の木の幹を描きました。よく見ると茶色ではなく、緑や黄色や黒、ありとあらゆる色が存在していました。それをそのまま描いたら、図工の先生にビックリするほど褒められて、それこそビックリしたのを覚えています。
人は先入観の中で生活しています。それは必ずしも悪いことではないのですが、
その先入観を取り除いたときに、見えないものが見えたり、間違いに気付いたり、他の考えや違いを認めたりして、世界が広がることは確かです。
そして教育には、この担任のように「違いを認めて、違いに感心し、興味関心を持って、新たな見方を広げていく」気持ちが大切です。そうした寛容の中で、子ども達は自由な活動を保証され、新しい表現を開花させていくのですから。
「もう一つの星空」 H24.7.12 (木) 曇り時々雨(先週の記事です)
先日プラネタリウムに行った年長さんが、その時の印象画を描いていました。
画用紙を黒のクレパスで塗って、ヘラで削ると下地が出ます。これを絵に応用したスクラッチ画です。
空を大きく描いて小さな星を沢山描いている子、人を中心にして人物を大きく描いている子、お友達を小さく沢山描いている子、一つ一つの星を大きくダイナミックに描いている子、プラネタリウムの投射機を描いている子、織姫彦星を夜空に描いている子・・・・と、その子それぞれに色々な空があります。
でも、星の描き方って難しいんですよね。 みなさん子どもの時に星描けましたか?
星の描き方は二通りありますよね。
線を対角線状に交差させて描く星。
星の外形を一筆書きに描く星。☆
もちろん、丸でも四角でも三角でもよいので、みな思い思いの星を描いています。 ○ □ △ ◇ ☆
でも、お友達が格好いい星型の星を描いていると、「どうやって描くの?おしえて。」となるわけです。
左の写真では女の子が男の子星型の描き方を教えてあげています。☆
対角線状にクロスさせていくので、とても難しいです。
初めてだとなかなか出来ませんよね。ですから女の子が画用紙の上を指でなぞって、描くラインを先導してあげています。
男の子は女の子の指の動きに合わせて線を描いていきます。親切で優しいですね。
何度も何度も繰り返し教えてあげていました。この様子を見ていた子が、
「自分で描かないとだめだよ。自分でちゃんと描けてるじゃない。」と言いました。
女の子が指でなぞっているのを見て、人に描いてもらっていると思ったのでしょう。
「この星は見本で私が描いてあげた星だよ。まだ描けないから教えてあげてるの。」と、女の子が答えます。
これは、どちらの子も正しいと思います。綺麗な星が描けたらいいなというお友達の気持ちを理解して、自分の作業を中断して教えてあげている子。それを、自分で描かなければ意味ないと指摘した子。そしてそれを聞いている男の子。
子ども達は集団の中で、お互いに影響を受けあって生活をしています。
真似したり、真似されたり。
おしえたり、おしえてもらったり。
指摘したり、指摘されたり。
笑ったり、泣いたり。
様々な影響を受けあって、与えあって成長していきます。つまりそれは人という環境です。ですから、その「環境」がどのような「環境か」が大切となるのです。
↓四角い空の形、土星の形は影響し合っています星の描き方は全く違います。
業務多忙につき、更新遅れました。楽しみにしていた方すみません。
「更新楽しみにしています。」と声を掛けてくださった方々有難うございました。
ちょっと間があきましたが、先週の記事です。これからも「文化たより」宜しくお願いします。
「泥んこ三昧」 H24.7.9 (月) 晴れ (先週の記事です)
水の冷たさが気持ちよい季節となりました。以前砂遊びについてご紹介しましたが、今は裸足になってのどろんこ遊びです。
靴を脱ぐだけで、裸足になるだけで、子ども達の心に「どろんこ遊び」のスイッチが入るから不思議です。裸足になりながらも、ワクワクをおさえられない様子。トンネルの掘り方や川の作り方もよりパワフルに、遊びに躍動感がでてきます。
そして、この笑顔。そしてまた、トンネル工事の真剣な顔。
「先生!ここ水ちょうだい!」
「トンネルがこわれちゃった。」
「よし、いそいで治そう。」
「水をかけて砂を強くして。」
「濡れてない砂持ってくるよ。」と、お友達と協力しながら大きな山やトンネルを作っていきます。
まさに華麗なる連携プレーです。
「よし、この川とこの川をつなげよう。」と運河の建設に入りました。
ところが、川と川が繋がったのに水が流れていきません。
「先生!ここに水を流して。」
でも、流した水が運河に流れていくことはありません。
「なんでだ?」、「もっと掘ってみよう。」、「あれ?流れない。」、
「ん~?」、「あっそうか。下を低く掘っていけば、水が低いほうに流れていくんだ!」と、水が高い方から低い方へ流れていくのを発見しました。
こうして子ども達は遊びを通して、様々な発見と工夫をしていきます。でもここで、「大人が高低差をつければ・・・」なんて教えたら台無しです。自分達で楽しみながら、経験を通して学ぶ事が大事です。
園庭を一杯に使っての泥んこ遊びは、心地よい興奮とともに子ども達の心の根に確かなものを植えつけているようです。
「たなばた」 H24.7.6 (金) 晴れ
今日は七夕集会をしました。自分で作った星の飾りを頭につけて、七夕の歌をみんなで歌って、気分はすっかり七夕モード。
そしてステージの幕が開くと、みんなの先生が衣装をつけて立っています。そうです、先生たちが七夕劇を子ども達に見せてくれるんです。これには、子ども達も大喜びです。織姫さんや彦星さんに扮した先生、神様役の先生、可愛いのに牛役になってしまった先生など(「モー、やだー」と言ったかは分かりませんが・・・)、先生が出てくる度に歓声があがります。
いつもとちょっと違う先生を見て、子ども達もとても楽しそうでした。そして、そんな子ども達を前に、先生たちもとっても嬉しそう。
ホール一杯に広がった子ども達の笑顔は、天の川のようでしたよ。
「プラネタリウム」 H24.6.27 (水) 晴れ
今日はプラネタリウム見学に行きました。バスの中では七夕の歌を歌ったり、七夕の絵本を読んでもらったりして、プラネタリウム気分も盛り上がります。
さあ、いよいよ会場へ到着。 もうこの時点でニッコニコの子ども達。 「わー、遠足に来たみたい。」
さらに、宇宙船のようなドームの中に入るとワクワクドキドキもピークに。リクライニングシートに座ると、本当に宇宙旅行にでも行けそうな気になります。
照明が暗くなり、星空が現れると
「わー」っとため息のような歓声があがります。そして満天の星空を見ながら、解説を楽しく聞きました。
ところで、星座って全部で幾つあると思いますか。88個もあるんですって。いて座や白鳥座など有名な星座はもちろん、カラス座や王冠の形のカンムリ座なんていう珍しい星座も教えてもらいました。でも、みなさん結構星座の名前を知っているんですね。説明員の方も驚いていました。 「ぼく、ふたご座だよ。」、「わたし、かに座」と自分の星座だけでなく、「お父さんは、おとめ座だよ。男だけどね。」
なんていう声も聞こえました。
他にも、先日の金環日食の話を大きなスクリーン一杯に映しだしながら聞かせてくれました。
「また金環日食を見ることが出来るんですよ。それは18年後、2030年6月1日に北海道で見られますよ。もうみんなが大人になっているね。」と、説明員の方。
そうですよね。 18年後はこの子達も立派な大人になっているんですよね。その時に、今日のことを思い出してくれるかな。
「パパがね、ママがね、幼稚園の時に金環日食を見たんだよ。それでね、プラネタリウムにも行ってね、今日の金環日食のことを言ってたな。」てね。みなさんがお父さんお母さんになったら、子どもを連れて幼稚園に遊びに来て下さい。
「ほたる」 H24.6.25 (月) 曇り
前回はサナギについてお知らせしましたが、今回はホタルです。なんとなんと、ホタルを持ってきてくれた子がいたんです。 子ども達もビックリ、驚きました。
「え?ほたる?」、
「どこどこ?」
私も、光っているのを遠目に見たことはありますが、間近に見るのは初めてです。 昼間なので光りませんが、お尻の白い所が光るんだと思います。
あんまり珍しいので、各教室に回して他のお友達にも見てもらうことにしました。まずは隣の部屋へ出張です。その先生も生まれて初めてのホタルにビックリ、そしてニッコリ。
「ありがとうね。それではちょっと借りますね。」と言うと、持ってきた子も嬉しそうにしていました。
きっと静かな所が好きなんでしょう、ホタルさん。でも、今日1日我慢して下さい。
子ども達がこんなに喜んでいるんですから。
「蛹(さなぎ)」 H24.6.22 (金) 雨のち曇り
年中さんがプラスチックケースの中をのぞき込んでいます。じーっとケースに穴のあくほど見ています。
中にいるのはこれ。カブト虫のサナギです。女の子がお友達に見せようと持ってきてくれました。家で飼っていた幼虫が、土の上でサナギになったそうです。
お尻のほうに丸まっているのは脱皮した皮です。
好きな子はずーっと見ていますが、スッと見て行ってしまう子が意外と多いのに気付きました。そこで、蓋を取って中を見易くしました。(下写真↓)
すると、一人二人と足を止める子が多くなり、あっという間に人だかりができてし
まいました。これは、とても面白いことだと思います。見せ方次第、見え方次第で、興味や関心の度合いが変わるということですね。真上からじっくり観察できれば、見えないものが見え、気付かない物に気付く。
よく見えないときは「ふ~ん・・・そうか。」と通り過ぎるものが、良く見えれば、「なにこれ?わー、すごい!」となるわけです。 サナギ1匹、されどサナギ1匹。その小さな1匹を中心に子どもの輪ができました。
そして、最後に一つ。この子達って偉いなと思うことは、「触らないでね。」とは一言も言っていないのに、誰もサナギに触ろうとしないこと。そして、沢山の子が集まって来ても、押しあったり、ケースを自分の方へ引き寄せたりせず、譲り合って見ていること。こんな素敵な子達に見つめられて、サナギも嬉しかったんじゃないでしょうか。立派なカブト虫になって下さい。
※ちなみに、カブト虫は土の中で蛹室という空間を作って、その中で成虫になります。この蛹室が壊れてしまったり、土の上で蛹(サナギ)になると綺麗な成虫になれません。(脱皮が出来なくて、羽が出っぱなしになったり、角が曲がってしまったり)ですから、紙コップを利用するなどして蛹室を作ってあげます。
「りんごの赤ちゃん」 H24.6.20 (水) 晴れ
子ども達が何かを見つけました。それを拾って先生に見せています。
「わー、たくさん落ちてる。」
「ここにもあるよ。」
「こっちは赤いよ。」
昨日の台風で、リンゴの木から赤ちゃんリンゴが落ちてしまったようです。
かなり強い風と雨でしたからね。
「けっこう、大きくなってたのにね。」
「もったいないね。」、「もったいないね。」
「さくらんぼかと思った。」と言う子もいました。確かに大きさといい、色といい、さくらんぼのようにも見えます。
「りんごのにおいがする。」と言うので、手にとって鼻にあててみると、ほのかにリンゴの香りがします。
「本当だ。りんごの香りがする。」
他の子達もクンクンクン。
「あっ、りんごのにおいだ。」
「先生!りんごのにおい。」
「こっちのりんごはツルツルしているのに、こっちのはシワシワになってる・・・何でだろう??」と不思議そうに見比べている子もいます。
今回落ちてしまったリンゴの赤ちゃんですが、まだまだ木には沢山残っています。これから暑い夏を経て、秋にかけてどんどん大きくなっていきます。その成長を子ども達と一緒に見守っていきます。季節を感じることが少なくなった現代社会です。小さな園庭ですが、目で見て、手で触って、嗅いでみて…季節や自然を五感で感じて欲しいと思います。
お店で売っている綺麗で大きなリンゴも、初めは青くて硬くて小さいんだって、今回の台風一過で感じたことでしょう。
「先生はお絵描き名人」 H24.6.15 (金) 晴れ
子ども達の歓声が園庭に響きます。ふと見ると、そこには大きなバイキンマンの顔が・・・。これは、先生がジョウロの水でサササと砂に描いた絵です。上手ですよね。
バイキンマンの顔の中に入ったり、線の上を走ったりして、子ども達も楽しそうです。
先日の文化たより「砂遊び」でも書きましたが、先生も本当に楽しんでいます。子ども達が楽しんでくれる事が、先生の喜びであり、幸せでもあります。まさに天職ここにあり。そんな先生達のもとで、子ども達の生活は喜びに満ちています。
さて、そろそろお昼の時間です。さよならバイキンマン!
今度はどんな遊びをしようかな。
「歯科検診」 H24.6.14 (木) 晴れ
今日は歯科検診がありました。年長さんは年少から数えて3回目の検診ですが、ちょっと緊張気味です。それでも「宜しくお願いします。」と、きちんとお願いをして、大きな口をあ~んとあけます。順番を待っている子ども達が、その様子をじ~っと見ています。「はい、いいですよ。」と歯医者さんに言われると、ほっとしたように「ありがとうございました。」とお礼を言います。みなさん格好良いです。
大人になっても、歯医者さんに罹るのは怖いですよね。最近は痛くない治療法があるようですが、それでも嫌ですね。虫歯にならないように、歯磨習慣を幼児期からつけましょう。
「園庭全部で砂遊び」 H24.6.7(木) 晴れ
今日は年少さんが一番に園庭に飛び出しました。そして、大好きな砂遊び。1クラス、また1クラスと加わり、年少組4クラスで園庭独占状態となりました。
これは盛り上がりましたよ!
みなさん公園で砂遊びをしていると思いますが、広い園庭全体で砂遊びができるなんて、世界で唯一ここでしか出来ない遊び方です。だからもう夢中で掘る、盛る、水流す! 本当に夢中になって遊んでいます。
「年少さん全員で、そして年少さんだけで。」というのも良かったのではないでしょうか。
「小さい私達だけで、こんなにスゴイ遊び方ができるんだ!」って豪快な砂遊びを全身で味わっているようです。
5月の遠足で子どもの国へ行きましたが、そのときに感じた「これが年少組全員」という感覚。 自分と仲間、仲間の中にいる自分。そんな感覚が今日の砂遊びで感じられたのではないでしょうか。遊びや生活の中で、そういった感覚が無意識のうちに得られるのは、大切ですね。
そうしているうちに朝の支度を終えた年中、年長組の子ども達も園庭に出てきました。年少さんが作った山や川を見て、「年少さんも、こんなにスゴイのができるんだ。」って感心している子がいました。そうして、全学年入り乱れての大砂遊び大会?が始まりました。年長さんが加わると、山は更に高く、川は更に深くなり、遊びの豪快さが増します。
それにしても、写真を見て何か気が付きませんか? 子ども達も楽しそうですが、先生達が楽しそうですよね。放課後に、「今日の砂遊び、盛り上がって楽しそうでしたね。」と先生達に言うと、「うふふ。砂遊び本当に大好きなんです。」、「子ども達よりも楽しんでいたかも。」、「どんどん穴掘って、服が砂だらけ。」、「肘まで穴に入ったもんね。」と先生達。ここでもまた盛り上がっていました。そうです、大切なのは先生達が楽しむことです。子ども達とこんなに楽しく遊べる先生、素敵ですよね。
(アルバムのコーナーも見てください)
「集中」 H24.6.6(水) 雨
前回の文化たよりで、集中という言葉がありました。幼児に集中力って結びつかないと思っていませんか。
「うちの子は集中力がなくって…。」って、よく聞く言葉です。そんなことはありませんよ。どの子もみんな、素晴らしい集中力を持っています。必ずです。「適切な環境」と「興味関心に合った題材」があれば 、子どもはいくらでも集中して取り組みます。
ここで大切なのが教師の役割です。主体は子どもですが、お膳立てをするのは教師です。きちんと計画された保育の元で、初めて子どもの自由な活動が保障されます。自由にのびのびと生活するためには、十分に考えられた保育が必要なのです。しかし、「あーしなさい、こーしなさい。」と指示されていたら子どものやる気は失せてしまいます。「適切な環境」も「興味関心に合った題材」も子どもが無意識のうちに用意されている物です。
また、環境には「人的な環境」と「物的な環境」があります。人的な環境は、幼稚園では友達や教師です。物的な環境は周囲のあるあゆる事物です。教室や幼稚園全体を流れる空気感さえ、いえ、それこそが最も大切な環境であると言えます。子どもは環境で育ちます。どのような環境を用意してあげるかが子どもの成長には大切なのです。
集中とは楽しさの中にあり、楽しさは集中の中にある。
集中しているときの時間があっという間に過ぎることを子どもたちは知っています。物事を完成させた時や達成した時の心地よい疲労感も知っています。そして、笑顔と集中と真剣さの先にある物はハッとするような作品やアイディアです。
大人では到底思いつかない事を…
いとも簡単にひねり出す子ども達。その力は無限です。誰もがその力を持っています。そして教師は子どもに寄り添い、その力を引き出す黒子です。人的環境としての黒子もまた、大事なんです。
「環境と楽しさ」 H24.6.4 (月) 晴れ
「今日は何の日?」というコーナーが以前テレビでありましたね。6月4日は何の日かご存知ですか??
6月4日(む、し)ということで虫の日ではありません・・・・虫歯予防デーです。子ども達は、この日に向けて歯ブラシとコップを作ってきました。それで今日、「虫歯なんてやっつけろ!」と可愛い歯ブラシとコップを持ち帰りました。
可愛いですね。あとは歯ブラシに切り込みを入れて完成です。
これは年少さんの制作風景です。好きな色の画用紙を使ってコップを折ります。歯ブラシも好きな色の画用紙と折り紙を使って、切ったり貼ったり・・・こうゆうの楽しいんですよね。
この楽しさが何よりも大切です。楽しい環境の中でこそ子どもたちは集中し、大人には真似のできない造形を作りだします。それはあっという間の出来事のように、直ぐに出来上がってしまうのです。
想いのままに描いた曲線は、味わい深い造形となって私たちを感動させます。子どもの自由な発想で作りだした造形からは「楽しい」という音が聞こえてくるようです。私達教師は、子どもという神様のような「宝物」を前にして、喜びと幸せを感じます。そして、その手から作り出されたものに感動するのです。
「衣替え」 H24.6.1 (金) 曇り
今日から夏服へ衣替え。(そうそう、前々回の「心の○○」の記事に追加した写真は今日撮ったものです。)
半袖にパリッとした生地が気持いい!涼しくて、気分も一新。みなさん嬉しそうです。 麦わら帽子が気に入っているようで、しきりとツバを触っている子もいます。年少さんの帽子は、シャキッと新品。麦の香りがしてきそうです。
やはり季節感って大事ですね。暑い夏には麦わら帽子。寒い冬にはフェルトの帽子。見た目にも美しく、涼しそうに見えたり温かそうに見えたり・・・季節を感じることができます。こんなふうに衣服を通じても、季節を楽しみ、「らしさ」というものを感じ取って欲しいものです。
「遊び、それぞれに」 H24.5.31 (木) 曇り
明日から衣替えですが、ねずみ色の重たそうな空が入梅の気配を感じさせます。
でも幼稚園には、太陽のようなピカピカの笑顔が一杯です。
年中さんのお部屋では、色々な遊びを楽しんでいましたよ。それこそ太陽が一杯。
この子達はトランプを1枚ずつめくっています。これは神経衰弱ですね。1枚めくって、もう1一枚。「あっ違った・・・う~。」
(ところで、何で神経衰弱っていう名前なのでしょうか。むしろ楽しくって、元気になってしまうのですけど。)
さて、こちらでは大きなブロックを組み合わせて格好良い武器を作りました。姿勢を低くしてコマンドの実行中のようです。
「うっ、見つかった!」
「どうだ!バンバンバン」
写真を撮ろうとしたら撃たれました。
「う~、やられた。」と
しゃがみこむと、前後から挟み撃ちにされてしまいました。
「しまった逃げろ~。」とその場から退散。
「羽が動くよ、ほら!あれ外れちゃった。ちょっと待って、直すから。」
さて、こちらの女の子は、興味深そうに何かをのぞいています。この子は、ドーナツ型のブロックを高く積み上げていたんです。そしてずれて倒れないように真中に心棒を入れました。
「先生見て、ここに棒が入っているから倒れないの。」と言ったときに、その細長い心棒の真中に小さな穴が開いているの気付きました。何となくのぞいてみると、狭い空間に不思議な世界が広がっていました。「ムムムム?」って探究心一杯です。
そしてこちらの女の子達は、パン屋さんです。このパンは担任の先生の手作りオモチャで、とってもリアルに出来ています。
「先生、どうぞ食べて下さい。」とパンを取ってくれました。
「ありがとう。アグアグ゛」と食べると、嬉しそうに次から次へとパンを渡してくれます。
「次はメロンパンがいいですか。」、「ハイお願いします。アグアグアグ…お腹一杯!」
みなさん色々な遊びを楽しんで、遊びそれぞれに百花繚乱。それぞれの楽しみ方があるのですね。
「心の○○」 H24.5.29 (火) 晴れ
幼稚園バスの中での会話です。
年中の男の子が、「僕ね、夢見たんだ。バス停で待っていたらね、男の子はみんな仮面ライダーになっちゃったんだよ。それで女の子はみんなプリキュアになっちゃったんだ。」って、夢の話をしました。すると年長の男の子が、「ユメって、心のユメ?」とひとり言のようにつぶやきました。
・・・聞き逃しませんよ、今の素敵なつぶやき・・・
「えっ、心のユメってなあに?」
「心の中で、ん~て思うこと。」と言いながら胸に手を当てます。
「大人になったらこんな人になりたいとか、
今度こんな事がしたいとかって思うこと?」
「そう。心の中で強く、ん~って思うんだ。」
「みなさん、いまね△△さんがとても素敵なことを教えてくれましたよ。夢って二つあるんだよね。一つは夜寝ているときに見る夢。先生は食いしん坊だから、おまんじゅう100個食べる夢をよく見ます。」、「アハハハハハハ。」、「それともう一つは、将来大人になったら野球の選手になりたいとか、宇宙飛行士になりたいとか、世界をぐるっと1周したいとかって心の中で思うこと。それを△△さんは心の夢って教えてくれました。いい言葉だね。感心しました。」と言うと、みなさん心の中でじっくりと何かを考えているようでした。そして一気に、「私モデルになりたい。」、「僕はトラックの運転手。一番大きなトラックを運転する。」、「私はケーキ屋さん。」と次々に将来の夢を教えてくれる子ども達。本当に夢の花が開くように、ワ~っと話が広がりました。それを聞いていた△△さんは嬉しそうに「僕ね、大人になったらね、サッカー選手になりたいんだ。それからね、野球の選手にもなりたい。あとバスの運転手もなりたい。」と沢山の夢を教えてくれます。「ずいぶん一杯あるんだね。」、「そう、夢は一杯あるの。」と手を大きく開いてニコニコしています。心の夢・・・心に強く願って努力すればきっと叶いますよね。
すてきなユメの話でした。
「避難訓練」 H24.5.24 (木) 晴れ
今年度初めての避難訓練をしました。年少さんは、先日の身体測定に続いて初めて続きの避難訓練となります。
驚かないように、優しい声で「ガタガタガタ地震ですよ。」と放送が流れます。みんな一斉に机の下に隠れます。
「カメさんみたいにね、頭や足も出ないよいうに隠れているかな。」
はい、とても上手に隠れていますよ。
揺れが収まったところで、次に防災頭巾を被ります。お手伝いもしましたが、一人で被れる子も・・・みんな本当に上手です。時々後ろ前反対に被っている子もいますが、先生が直してくれます。
そしてほら、ユキンコちゃんの完成です。可愛いでしょ。若干遊び気分で楽しそうですが、それもご愛嬌です。
全員被れたらハンカチを口にあてて教室の入り口に集まります。今日は1回目なのでここまで。防災頭巾をたたんでクッションカバーにしまいました。
来月の避難訓練では園庭に避難しますよ。それから地震警報機も鳴らしますのでびっくりしないで下さいね、これから毎月1回の避難訓練を行います。備えあれば憂いなし。初めての避難訓練、本当に上手でした。 100点満点!!
「身体測定」 H24.5.21 (月) 曇りのち晴れ(金環日食)
金環日食見ましたか?直前には雨もぱらついて駄目かと思いましたが・・・出ましたね。写真は園庭から見た日食です。バスのフロントガラス越しに良く見えました。先生達が写真を撮っているのを見て、慌ててカメラを取りに行ったのですが、戻った時には雲が厚くなってボンヤリ写真になってしまいました。
子供達も家で見たようで、「金環日食見たよ!」、「指輪みたいだったね。」、「メガネして見たんだよ。」と、楽しそうに話していました。次に東京で観測できるのは2312年だそうで、本当に貴重な天体観測でした。
さて、こちらは身体測定です。年少さんは初めての測定なので緊張気味です。それこそ、金環日食並の出来事なのかも知れません。
「一体何をどうするんだろう??」って感じです。それでも、皆さんとても上手に順番を待って、しっかりと測ることができました。ですから測定もあっという間に終わってしまいました。
「大きくなってたかな?」と声を掛けると、「うん、ご飯いっぱい食べてるから、すごい大きくなってた。」と教えてくれました。
次の測定は2学期です。沢山の経験と、それこそご飯を沢山食べて、ひとまわりも、ふたまわりも大きくなって欲しいと思います。
「魔法の手、繊細に」 H24.5.14. (月) 晴れ
年長さんが、粘土でワニやケーキを作っていました。慎重に粘土べらを使って細かい装飾をつけたり、手先の繊細な感覚で滑らかな形に整えたりして・・・
それはもう職人技です。
道具の使い方を自然と工夫していて、粘土べらに左手を添えて強弱を調整している男の子。繊細な模様と大胆なワニの造形が絶妙です。
下の写真はハートの形を柔らかい感じにする為に、指先で丁寧に形を整える女の子。何度も何度も手をくわえて納得のいくハートに仕上げています。
無から有を作り出すその手は、まさに魔法の手。小さいけれど、繊細で美しいのです。
あちらでも、こちらでも、次から次へと作品が出来上がっていきます。
どれも本当に素敵です。大人は、良いものを作ろうとして余計なことばかり考えてしまいますが、子ども達は違います。楽しみのうちに自然と手が動く。夢中になって、イマジネーションを具体化していくことができるんです。
そして、この夢中になれる環境をつくってあげることも大切です。良い環境のなかでこそ、自由な発想と豊かな感性が生まれます。子どもはみな素晴らしい力を持っています。その力を引き出せる環境が実に大切なのです。
「もう梅雨ですか?」 H24.4.24 (火) 晴れ
しばらくパソコンがメンテナンスに出ていたため、更新できませんでした。
連休前の記事(4月24日)ですがご紹介します。
なんだか最近雨の日が多くないですか?もう梅雨に入ったのかと思うくらいに雨ばかり。止んだとしても、園庭がぬかるんでいて外遊びになかなか出られません。
でも今日は久々の快晴!
「外で思いっきり遊ぶぞ!」と思いましたが、降り続いた雨の影響で、園庭には若干の水溜りとぬかるみが・・・でも、もう我慢が出来ません。バスの運転手さんたちに園庭の水溜りを抜いてもらい、乾いた砂でコンディションを整えてもらいました。
わーっと飛び出した子ども達。やっぱり外で思いっきり体を動かすのは気持がいいです。今が一年のうちで一番過ごしやすい季節。陽の光を一杯に浴びて遊ぶ子ども達の姿は、文字通り光り輝いて見えます。そんな子ども達を見つめる先生達の目は、とっても優しく嬉そうです。
これからの1年間、楽しく、実りある幼稚園生活を送ってもらいたいと思います。先生達も日々子ども達のために頑張りますからね。
「はじめての給食」 H24.4.17 (火) 晴れ
今日から一日保育が始まりました。ということは・・・初めての給食ですね。朝から皆さん楽しみにしていたんです。「給食いっぱいたべる!」って。(アルバムのコーナーもご覧下さい)
それから朝の幼稚園バスの中で、「僕ね、枝豆好きなんだ。」って何度も何度も言っている子がいました。何のアピールなんだろうと思っていましたが、今日の献立の一品が枝豆だったんですよね。教えてくれてありがとう。 先生も枝豆大好きですよ!
さて、いよいよお待ちかね・・・給食の時間がやってまいりました。お弁当箱の蓋を開けると、わーっと歓声があがります。
お友達や優しい先生とお話をしながら食べる給食は格別です。
驚いたのは、みんな食べるのがはやいこと。子供たちと話しながら写真を撮っていたら、あっという間に食べ終わる子が出始めて、どんどん終わってしまいます。「みんな食べるの早いね。」というと、「おいしいから、食べちゃったよ。」と子供達。そうだよね、楽しくって、美味しくって、あっという間に食べ終わっちゃうんだよね。
そして、食べ終わったらお片付けのお手伝いをしてくれる子も登場。
テーブルクロスを畳んだり、お飾りをしまってくれました。
どうもありがとう。
明日の給食も楽しみにして下さいね。
「再 訪」 H24.4.6 (金) 曇り (番外編)
今は春休みですが、先生たちは新しい年度の始まりに向けて大忙しです。子供たちがいない幼稚園はとても寂しいので、みなさん早く来てくれませんかね。桜の開花も遅れたので、ちょうど入園式の頃が見ごろなのではないですか。
さて、文化便りをスタートするのには早いですが(子供たちあっての文化たよりです)、お花見も待ちきれないことですし、今日は番外編をお送りします。3月の事でしたが、素敵なお兄さん、お姉さん達が幼稚園を訪ねてきました。
「再 訪」 H24.3.23 (金) 曇り
町田文化幼稚園出身の小学6年生が5人、その日揃って幼稚園に訪ねてきました。同じ小学校に通う5人は前の日が卒業式だったそうで、お世話になった幼稚園に渡したい物があるというのです。手渡された封筒を開けると中には3枚の色紙が入っていました。その3枚の色紙は・・・
「町田文化幼稚園へ
幼稚園のころは ありがとうございました。今年、小学校を卒業しました。」のメッセージと卒業式当日に5人で撮った写真や寄せ書きで飾られた色紙が1枚目。2枚目の色紙は幼稚園時代の思い出の写真の切抜きと思い出のメッセージ、3枚目は自分達の近況を写真とともに知らせてくれています。2枚目の色紙には、今日の5人以外に、「2年生の時に他の学校に転校した○○君」と転校していった卒園生の写真も貼ってありました。優しい気持と感謝の気持が一杯の色紙でした。ちょっと照れくさそうに立っている5人の姿が、本当に嬉しく、有難く目に映りました。
「お世話になった幼稚園、保育園にお礼を」と、学校の活動として6年生全体で行っている行事と思い込んでいた私…。実はそうではなくて、町田文化幼稚園出身の5人が集まって、自分達の考えで今回の事を決めたのだそうです。それを聞いて、ますます感激しました。小学校卒業で頭に浮かぶことと言えば、仲の良い友達と離れてしまうとか、中学校進学のことでしょう。幼稚園の事は普通考えないと思います。それでも、6年前に卒園した幼稚園のことを思い出して、今の自分達があるのは幼稚園のお陰。楽しい思い出、経験を沢山させてもらった幼稚園にお礼に行こうと話合ったんだと聞いて、胸が熱くなりました。本当に立派になった5人の子ども達。 本当に、本当にありがとう。そして卒業おめでとうございます。こんなに素敵な心を持っている子たちですから、きっと素晴らしい未来が待っていることでしょう。