「もうひとつの野菜栽培」 H23.5.27 (金) 曇りのち雨
幼稚園では今、キュウリやトマト、ナス、ピーマンを育てています。大きなキュウリが生って、トマトは小さな花の後に黄緑色のトマトが生り始めています。その様子を自由画帳に描いていた子がいました。それがとても上手で面白かったので、クラスみんなで描いてみる事にしました。普段園庭で見ているものでも、いざ絵に描くとなると、その形や色をイメージして絵にするのは難しい事です。でも、みんな本当に上手に描いています。隣の子と話し合ったりしながら、「どんな風になっていたかな」と、どんどん描いていきます。みんな上手だなと感心していると、トントントンと小刻みに何かを叩く音が聞こえてきました。どこかな~と探すと、男の子がクレパスを自由画帳にトントントンとしていました。
そうです、キュウリのボツボツをクレパスでトントンして付けていたんですね。 トントントン、トントントンと何だかとても良い音に響いてきて、温かい気持になってきました。 相談したり、工夫したり、みんなで楽しんでいる姿、集中している姿、ちょっぴりふざけている姿、どれもみんな宝物のように輝いています。
こんな子ども達の毎日って、どんなだとい思います? 本当にうらやましいですよね。 幼稚園で子ども達は、様々な経験をして、目と耳と鼻と口と手と体を通して、その経験を吸収していくんですね。
野菜の栽培は一つの小さな経験ですが、野菜を育てることから展開されていく様々な経験が大切です。一人の子供が自由画帳に描いていた野菜の絵を見逃さず、クラス全体に展開し、そこから生まれてくる「何か」を信じて待つ。それが幼稚園教育であり、幼稚園教諭の役割です。それはもう一つの野菜栽培となって、子ども達の心の中でしっかりと根を張り、ぐんぐんと成長していくこととなるのです。