「地面の中をのぞいてみたら」 H21.6.18(木) 晴れ(前に紹介できなっかた分)

「地面の中をのぞいてみたら」H21.6.18(木)晴れ

「みてー!」
「みてみてー!きれいでしょ。」

「地面の中をのぞいてみたら」H21.6.18(木)晴れ

「1枚ずつ描いたんだ。」
「みんなのを並べようよ。」

年長さんの部屋から、子ども達の熱気が・・・この熱は何だと思って教室に入ると、「せんせーい!、見て!見てー!」と、子ども達が駆け寄ってきました。手にはお花や虫の絵を持っています。

「これから壁に貼るんだよ。」と教えてくれました。

「みんな自分の好きなお花を描いたんだね。いろいろなお花があって上手だね。」と、言いながら壁を見てビックリ!

壁一面にアリの巣が・・・小さいのに大きいのに・・・沢山のアリが住んでいます。新聞紙を丸めて木の根っこを作って、巣の周りにはカブトムシの幼虫やモグラも遊んでいます。そして、このモグラ、裏に紐が通してあって右に左に動くようになっているんです。なんて、ダイナミックなんでしょう。

感心していると、先生が、(文章、写真下につづく)

「地面の中をのぞいてみたら」H21.6.18(木)晴れ

「初めは原っぱにするつもりだったんです。そこに花や木があって、蝶や虫が遊んでいて、空に雲やお日様も輝いている様子にしようって子ども達で決めたんですけど・・・。まずは木の根っこを作ったり、地面の下を作っているうちに気が付いたら巨大なアリの巣になっていたんです。あれっ、これアリの巣だけで終わっちゃうね。

「地面の中をのぞいてみたら」H21.6.18(木)晴れ

「このモグラ動くんだー。」「このアリ私が描いたの。」

地面の上はどうするの?原っぱは?空は?場所がないよってきいたら、子ども達がこれで面白いからいいって言うんです。地底探検にしようって・・・原っぱで、もっと可愛い感じになるのかなと思っていたんですが、モグラとか、アリですっかり盛り上がってしまって・・・。かろうじて、上の方に草があるんですけど。そして、一人一枚ずつ描いた花をその上に貼ろうっていうことになりました。」と、予定から外れた結果になったことに少し困惑(しているふり?)しながらも、かなり嬉しそうに教えてくれました。

「本当に素晴らしいね。もともと原っぱって決めたのも子ども達だけど、やっているうちにドンドン面白いこと、楽しいことを見つけ出して、子どもたち自身が取り入れていったんだね。最後には、こんなに独創的なものに仕上げていったってことですよね。遊んでいるうちに自分達で軌道修正していったんですね。さすが、年長さんだね。」と先生と話していると、子ども達に袖をひっぱられ。

「ここ見て、これは恐竜の骨が埋まってるの。」、「先生、こっち来て。これね、アリのえさ。」、「これは、アリの冷蔵庫。」次から次へと、自分達がした仕事を教えてくれます。

「地面の中をのぞいてみたら」H21.6.18(木)晴れあの教室の前で感じた熱気は、クラス全員の想像力と創造力が絡み合って、巨大な渦のようになって教室から溢れ出てきたものだったんですね。既定のものを崩して、新たなものを作り上げる子ども達の発想や行動は、時に思わぬ方向にいくこともあります。しかし、その中に本当に素晴らしいもの、本物が隠れていることもあります。

それを見逃さず、否定せず、発展させていくことが大切です。

それにしても、顔を紅潮させて、自分の思いを伝えようとする子ども達の顔は、自信と喜びに満ちていて、こちらもワクワクしてくるものです。そして、「この想定外の結果に一番喜んでいるのは先生では?」と思いながら教室を後にしました。