「自分の名前」 H21.11.19(木) 曇りのち雨

今日はちょっと素敵なお話。 先週子ども達に「おこじょのユキ」という絵本を読んであげました。おこじょとは、夏は茶色、冬は白い毛に変わる動物です。春に生まれたユキは、今日から一人で生きていくことになりました。森の仲間はユキを馬鹿にします。「茶色いのにユキなんておかしいよ。雪は白だよ。お母さんは君のことをよく見ないで名前をつけたんだね。」 すっかり悲しくなったユキは、大きなクマに出会います。クマの名前はチビチビ。 チビチビだけは、ユキを馬鹿にせずに励まします。二人は大の仲良しに。やがて冬が来て、野原が白い雪に覆われた時、ユキは自分の名前の意味を知るのです。そして、お母さんに感謝するのでした。

「すてきな名前をありがとう!」

読み終わってから子ども達に話しました。「みんなの名前にも意味があるんだよね。お母さんやお父さんが、色々と考えてつけてくれた素敵な名前だものね。どんなふうにして名前をつけてもらったか、知っているお友達はいるかな?」と、聞いてみました。すると、「私、知ってるよ。」と、女の子が答えてくれました。「あのね、私が生まれる前だけど、楓がとっても綺麗だったんだって。お父さんが綺麗だなって思って、楓の子っていう名前にしたんだって。」、「とっても素敵なお話だね。みんなの名前も、お父さんやお母さんが、色々な願いを込めて名前を付けてくれているんだよね。」と言うと、子ども達はフムフムといった顔で聞いていました。

そして今朝、お迎えのバスに乗ると、「先生、僕のお兄ちゃんの名前ね、大きくなるようにって、お父さんが考えたんだって。」と、一人の男の子がお話してくれました。そうです、先週のことを覚えてくれていて、私に教えてくれたんです。「そう、お兄ちゃん、大きくて格好いいものね。それで自分の名前は聞いた?」、「えーと、えーと、忘れちゃった…。」、「忘れちゃいましたか。でも、お兄ちゃんと同じように、素敵な意味があると思うよ。また聞いてみてね。」と言うと、嬉しそうに頷いていました。すると、他の子も、「私も聞いたよ。綺麗になるようにって、つけてくれたんだって。」、「僕の名前は、お父さんとお姉ちゃんが考えてくれたんだって。」、「僕は強くなるようにって。」と、続いて話してくれました。

1週間も前です。絵本を読んだ後の話をちゃんと覚えてくれて、感じてくれていた子ども達。そして、家に帰ってお母さんに聞いたのでしょう。自分が生まれた時のこと、名前のこと。

このように、「お父さん、お母さんがどのような思いで名前をつけてくれたか」を子どもが理解し、人に話せるということは素晴らしいことだと思います。いかに、自分が愛され大切にされているか。名前にふれる度に思うことでしょう。

そして、1週間ずーっと私に教えてあげようと思ってくれていた子ども達。お父さんやお母さんが、一生懸命に考えてつけてくれた名前です。一人ひとりの名前を大切に呼びたいと思いました。